2018年6月21日木曜日

オステオパシーの話④

大変ご無沙汰しております。

2018年も早6月。
結局昨年は一度もブログを更新できませんでした…
お恥ずかしや。

今年は継続して投稿できればいいな~、と希望的観測を抱いていたり、いなかったり。


はてさて、前回のブログに、「次回は“オステオパシーの実際”について書きます」的なことを書いてしまっていたので、今回はその内容で進めていきたいと思います。


前回までで、オステオパシーの歴史、考え方、原則、等について解説いたしました。

今回は、実際の治療の際、我々オステオパスが、何を用いて、どのように身体に働きかけるのか、どんなことを感じているのか、などなどお伝えしていきまする。

オステオパシーの治療では、そのほとんどを「手」を使って行います。いわゆる徒手療法ですね。その手を用いて、前回までにも出てきた「膜組織」にアプローチしていくわけです。

働きかけの方法はたくさんありますが、ざっくり言うと、触って、圧をかけたり、引っ張ったり、動かしたり。
そうすることによって、膜組織の緊張を高めるように持っていったり、逆に組織が行きやすい方、弛緩するように誘導したり。
でも、方法は“何でもいい”のです。

対切なのは、我々オステオパスが働きかける人の身体、そこには「生命」が存る、ということ。
生命が在るからこそ、組織は圧をかけたら反応し、治療によって変化を起こします。
そんなの当たり前だと思われるかもしれませんが、そのことを考慮して、生命を感じながら治療を行うことと、相手の身体をただの構造物として扱うことは、天地ほどの差があるのです。

この症状にはこのやり方、この部位にはこのアプローチ、などの様にパターン化した施術や、ただ悪いところ、痛いところだけを触る対症療法などは、生命の存在を無視しているとも言えるでしょう。

相手を尊重し、生命を感じながら行うオステオパシーの施術は、まさに「対話」であり、単なるコンタクトを超えたものです。
そして、対話しながら施術を行うことで、そこには「バランス」が生まれます。
病変(悪いところ)を取り除く為に、その人の身体、組織が求めている適切な「力」でコンタクトし、最も均衡のとれるポイントを探し出し、バランスを取り続けます。

適切な力を加えると、組織は瞬間瞬間で絶え間なく変化していき、様々な振る舞いを見せてくれます。オステオパスもただそれを傍観しているのではなく、常に最善のバランスを組織に提供できるよう、アプローチし続けているのです。

また、治療だけでなく、検査や評価のときも、微細な組織の動き、緊張や圧力の有無、質感、などを手で感じ、実際に働きかける場所を特定していきます。
私達が能動的に何かを感じようとする部分ももちろんありますが、先に書いたとおり、適切なコンタクト(触り方)をすることで、組織は反応し、色々な動きや振る舞いで、その組織、引いては身体の持つ病変・問題を表現し、オステオパスを「導いて」くれるのです。


まとめると、

オステオパスは「手」を用いて患者さんの「膜組織」にコンタクトします。
その際、「生命」を感じ、組織が求めている適切な「力」でコンタクトすることで、相手の身体は瞬間瞬間の変化を繰り返し、様々な振る舞いを見せながら、我々の行う検査に対して病変や問題を表現して導いてくれたり、治療に対して反応を返してくれます。
オステオパスはその変化、反応を動きや圧力、硬さ等といった形で感じ取り、さらにその反応が強くなるアプローチで働きかけ続けることで、「バランス」を取り、病変を取り除くのです。

言うなれば、我々オステオパスが行っている仕事というのは、単に悪いところに一方的に働きかけるだけではなく、相手の身体、組織の振る舞いや変化という反応、声なき声を聞く「対話」であり、「相手の生命にコンタクトすること」なのです。
その為に用いる手段が、「手を使いバランスを取ること」というわけです。


久しぶりのブログでも、やっぱり読んでくださった方が「何のこっちゃ?」状態になることうけあいかとは思いますが、わずかばかりでも私達のやっていることが伝わればいいな、と思っています。

分かりやすく、伝わりやすく、はとても難しい…ということを毎回感じます(´д`)
頑張ろ。


またなるたけ近いうちに更新できるよう努めます💦💦

読んでいただきありがとうございました。
m(_ _)m






2016年9月9日金曜日

オステオパシーの話③

お久しぶりの投稿になります。

気づけば2ヶ月も経ってしまっておりましたね……


さてさて、前回はオステオパシーの考え方、その中でもオステオパシーにおける主要な4原則について述べました。

今回はそれを踏まえ、さらに詳しく、なるたけ分かりやすく解説していきたいと思います。

まずは前回のおさらい、主要な4つの原則を。


・身体は1つの単位(ユニット)である。

・身体は自己治癒力を持っている。

・構造と機能は相互に関与している。

・合理的な治療は上記3つの原則に基づいて行われる。


こんな感じですね。

ここからさらに、臨床にどのように生かしていくのか、等を説明していきまする。

前回人の身体は“膜組織”によって全身がつながり、組織同士の連結やネットワークを形成していると書きました。
そして、この膜組織があることにより、実際に問題がある箇所から離れたところが悪くなることがあり、また、膜組織を介して内臓や脳にまで働きかけることができることもお伝えしましたね。

このことは、

オステオパシーは痛みや不調の根本的な問題を取り除く治療である!

ということに関与しています。

膜組織が影響を与え合い、本当に悪いところから離れたところに症状がある場合(それがほとんどですが)、痛みや不調のあるところばかりを扱っても対症療法に過ぎず、治療効果は期待できません。

そこでオステオパシーでは、原則の1を踏まえ、症状があるところだけを診ることはせず、人間の身体を1つのユニットとして考え、頭のてっぺんから手足の指一本一本に至るまで全身を評価・治療の対象とし、痛みや不調を引き起こしている根本的な問題=“真の原因”を見つけ出し、それを取り除いていきます!

そうすることで、原則の2番目にある“自己治癒力”が高まり、身体各部が協調し、人間の身体がもつ様々な機能、システムを安定させるホメオスターシス(恒常性)が正常に働くようになり、全身が調和のとれた状態へと導かれていきます。

さらに、全身を診て根本的な問題を取り除くということは、原則の3、構造を整え、機能を回復させることでもあります。

例えば、不調の原因が昔受けたおなかの手術の影響だったとします。その場合、手術痕や周囲の癒着を解消し、骨盤や腰椎、内臓の可動性を正常化することは構造を整えることであり、その結果、腹部を通っている動脈、静脈ともに流れが良くなる、神経の働きが良くなる、というのは機能を回復させることになります。


つまりオステオパシーとは、


身体を1つのユニットとして考え、全身を評価・治療し、根本的な問題を取り除くことで構造と機能を正常化し、自己治癒力を引き出す治療である!


ということでございます。

おわかりいただけましたでしょうか?


なんとなくは伝わったかな~、と思いますので今回はここまでにいたします。

次回はオステオパシーの実際。について書きたいと思います。

オステオパシーで何を用いてどこにどのように身体にアプローチしていくのか、どんな治療法なのか、そのためになにが必要なのか、などなどをお伝えできればいいなと思っております。

次は2ヶ月も空かないように気をつけますので、どうぞ懲りずに読んでやってくださいまし。


それではまたm(_ _)m

2016年7月13日水曜日

オステオパシーの話②

 週に1回は更新しようと始めたこのBLOG。まだ3回目だというのに前回の投稿から気づけば早や3週間…月日の経つのは早いものです(違うか)



さて、前回①ではオステオパシーの歴史について書かせていただきましたが、②ではその考え方について。


同じアメリカで発祥したものであるにも関わらず、いわゆる西洋医学とは異なった視点・考え方を持つオステオパシー。

その概念は大変興味深く、面白いものですが、一般の方からすると分かりにくいこともあり、胡散くさいのもまた事実。

実際ワタクシもオステオパシーを学び始める前は話を聞いても半信半疑なところがありました。


そこで今回は我々オステオパス(オステオパシーをする人)が、何を頼りに、どんな考え方で、何を感じながら、検査・治療を行っているのかをなるたけ分かりやすくお話したいと思います。



まず、オステオパシーには主要な4つの原則というものがございまして、それらをざっと紹介いたします。


・身体は1つの単位(ユニット)である。

・身体は自己治癒力を持っている。

・構造と機能は相互に関与している。

・合理的な治療は上記3つの原則に基づいて行われる。


……何となく分かりますかね?


続いてはこの4つの原則をさらにざっくりと説明いたします。



まず1つ目の、身体は1つのユニットである。という考えについて。


これは、人間の身体は1つの繋がったシステムであり、骨や筋肉、内臓、神経という風に分けて考えるのではなく、それら全てが互いに影響を与え合っていますよ~、ということですね。

当然、身体を腰、首、膝、などとバラバラに診たり考えたりすることもありません。

この考えについて述べるときに大事になってくるのが“膜組織”という概念です。

最近でこそ「筋膜」という言葉がメディア等でも取り上げられ、一般の方々にも少しずつ浸透してきていると思いますが、筋膜はあくまで筋肉を包んでいる組織であり、全身を包んではいるものの、どうしても平面的なイメージになってしまい、オステオパシーの原則を説明するには少し足りない部分がでてきます。

実際の人の身体は筋膜だけでなく、骨を包む骨膜、脳や脊髄を包む硬膜、内臓を包む腹膜や漿膜、心臓を包む心膜、肺を包む胸膜、などが存在し、あらゆる器官・組織が膜によって覆われており、膜同士の連結を持ち、立体的で複雑なネットワークを形成しているのです。

ですのでオステオパシーでは筋膜でなく、単に“膜”を指す“Fascia”(ファシア)という言葉が用いられます。

この膜組織により人の身体は1つに繋がっており(ワンピースですね!)、怪我や手術の影響により膜組織が癒着や引きつれを起こし、離れた場所が引っ張られて悪くなったり、逆に膜組織を介して直接触っていない内臓の深いところや脳などにも働きかけることができるのです。



次は2つ目の、身体は自己治癒力を持っている。について。


これは皆さん分かりますよね?

誰しも経験しているように、人の身体は傷ができて血が出ていても時間が経てばカサブタができてふさがりますし、風邪などの病気になっても勝手に熱が出て治そうとしてくれます。

つまり、もともと人の身体というのは放っておいてもある程度は勝手に治ってくれるものなのです。

ただ、事故や手術、度重なるストレス、出産、慢性的な薬の服用、などがあると、湧き水のようにこんこんと湧き出すはずの治癒力がふたをされ働きにくくなり、病気や痛みといった症状として身体にあらわれてきます。

これら自己治癒力の働きを妨げるものを取り除くのがオステオパシーですね♪



続きまして3つ目。構造と機能は相互に関与している。


分かりやすく申しますと、構造というのは「かたち」、機能というのは「はたらき」のことですね。

例えば、内臓に問題がなくても、ものすごく姿勢が悪く、身体がゆがみまくって極端な猫背だったとします。

そうなると、内臓が圧迫され、消化吸収がうまくいかなくなり、背骨から出ている神経の働きも阻害され、痛みやシビレを引き起こす……など、結果的には「かたち」の問題が「はたらき」に影響を与えてしまいます。

逆に、暴飲暴食で内臓の機能が低下、内臓を包んでいる腹膜の緊張が付着部である骨盤や背骨の骨を引っ張り身体が歪み、栄養をうまく吸収できないせいで骨がもろくなり骨折……など「はたらき」が悪くなり「かたち」を壊してしまうこともあります。

ちょっと極端ですが、このように構造(かたち)と機能(はたらき)は密接に関係しており、お互いに影響を及ぼし合っています。



4つ目は、以上3つのことを踏まえて治療しましょうね。ということです、ハイ。



もうちょっとくわしく書きたかったのですが長くなったのでこの辺で…



……あんまり分かりやすく書けなかったな~。


文章は難しい(-_-)


精進いたしますm(_ _)m


                   

2016年6月23日木曜日

オステオパシーの話①

 本日は「オステオパシー」についてDig on!(掘り下げましょうってことです)



当院は“オステオパシー”治療院というくらいなのでオステオパシーを用いて治療を行うのですが、一般の方にとっては、「そもそもオステオパシーって何やねん!」てなことになりますよね、ハイ。



そこで本日は当院の目玉商品であるオステオパシーについて(それしかないんですが…)お話ししていきたいと思います。
第1回は主にその歴史について…



オステオパシーはアメリカ人医師A.T.スティルによって1874年に創始された自然医学で、その語源はギリシャ語の“Osteon(オステオン)=骨、生命体の構造”と“Pathos(パトス)=病、療法”からなります。つまり生命体の構造に対する療法という意味ですね。
日本ではまだまだマイナーですが100年以上の歴史を有しているんですね~。
比較的一般の方にも馴染みがあるカイロプラクティックよりもその成り立ちは古いのです。



スティル先生はもともと普通のお医者さんだったのですが、当時流行していた感染症(髄膜炎)により3人の子供を亡くしてしまいました。
自らが生業としていた投薬を中心とした医療で愛する家族を救えなかったことに加え、一方では医療を受けられていないにも関わらず命が助かり病から回復する人たちがいる事実にスティル先生は疑問を持ちました。
それをきっかけにスティル先生は人体を徹底的に研究し、解剖学や生理学、病理学から自然科学までを網羅した独自の医学を創りあげていきました。


それから10年の後、スティル先生はオステオパシーを発表し、世に送り出しました。
が、医学界からは猛反発にあい、糾弾され、受け入れられることはありませんでした。


しかしスティル先生は自らの信念を貫き通し、アメリカ全土を転々としながらオステオパシーの治療を行い続けました。その効果は凄まじく、伝染病や内臓疾患にも効果があったと記録されています。

やがてミズーリ州のカークスビルという小さな町に落ち着いたスティル先生でしたが、そこに噂を聞きつけた人たちが全米中から集まり、食堂ができ、ホテルができ、ついには初めてのオステオパシーの学校も設立されました。
その学校は今もA.T.STILL UNIVERSITYという名で残っています。
また、当時医学界から認められなかったオステオパシーは、アメリカでは現在ドクター.オブ.オステオパシー=D.O.として投薬も手術もできる医師と同等の資格として認められています。
ヨーロッパやアジア各国にも大学は存在し今やオステオパシーは世界中に広まっているのです。




誰も認めてくれる人がいない中で信念を貫き続け、たくさんの人を救い、小さな街を自分の身ひとつ、オステオパシーのみで大学ができるまでに発展させ、さらには国に認められる資格にまでなる。文字にするとほんの数行ですが、オステオパシーによって世界中でたくさんの人が健康を取り戻していることを考えるとスティル先生の遺した功績は本当に素晴らしいですね。




日本では代替医療として少しずつ広まってはいますが、一般的な知名度はまだまだ低く、経験したことがない人がほとんどです。
ですが長い歴史に裏打ちされた伝統的なオステオパシーの治療は素晴らしい効果があり、もっと多くの人に知ってもらいたいところです。



微力ながらワタクシも福岡市の片隅から少しずつオステオパシーについて発信していきたいと思います(^^)


今日はここまで。

次回はオステオパシーの考え方についてDig onいたします。


最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m


2016年6月22日水曜日

はじめまして

 福岡県福岡市東区のオステオパシー治療院「Dig onオステオパシーセンター」です!



慣れないブログではありますが、なるべくまめに更新し、長く続けていきたいと思います。



まだまだ日本ではマイナーなオステオパシーのこと、人の身体に関すること、日々感じたことなどを綴っていくつもりです。



ブログのタイトルは、Dig onのBLOG、略して「Dig Log」です。語感もいいし、シンプルでえー感じかな、と思います。



皆様どうぞよろしくおつきあいください。